今日はちょっと真面目に。。。

うわっ。気がつけばブログの更新11日ぶりだ!もっとマメに書かねばな。。。反省反省。
最近読んだ本。池澤夏樹さんの『イラクの小さな橋を渡って』。
イラク戦争開始前の2002年。
アメリカがミサイルや爆弾で攻撃しようとしている国を自分の目で見てみようとイラクに出かけた著者が見たまま、感じたままを綴った本。
2週間という短い期間だったが、池澤さんの目に映ったのは、楽しげに語り、赤ん坊をあやす人たち、
わいわい騒ぎながら走り回る子供たち、バリバリと仕事に励む女たち、市場にあふれる食べ物。。。実に明るく、親切な人たち。
私達がイメージしていたようなサダム・フセインの圧制下で苦しむ人の姿は、少なくとも滞在中は見られなかったという。
あらためて、ふむと考える。。。
それなら何故アメリカはイラクを攻撃して何万人という人を殺す必要があったんだろう。。。
圧制に苦しむ人は確かにいたのかもしれないし、情報の自由な入手や表現の権利を認められない体制であったかもしれないけど、
イラクの人たちを不幸にしたのは、サダム・フセイン以上に、この戦争だったのではないかしら。
池澤夏樹さんは「新聞やテレビは国際問題を詳しく報道する。しかしその大半は各国政府と国連との間の駆け引きの話であって、
それによって運命を大きく左右される普通の人々のことはほとんど話題にならない。
結局のところ新聞は国際問題の専門家を自称する人たちの業界紙でしかない。」と指摘する。
とっても共感を覚えるナ。
これだけグローバル化グローバル化っていったって、私達は他の国、他の文化、他の民族のことをどれだけ知っているのかしら。
政治や経済のニュースとして伝わってくる情報だけでは、イメージはあまりに一面的で偏ったものになってしまう。
以前、ミャンマーを訪れたときにも感じたことだけど、この本でその思いはさらに強くなった。
そこに生活する人たちの普通の暮らし、普通の人生、普通の喜び、悲しみ。。。
私たち日本人と共通する部分があれば、文化によって違う部分もある。
決して、大きなニュースにはならないけれど、そこに暮らす人たちの日常を伝えていくことって、もっともっと必要ではないかしら。
なぜなら、戦争や環境問題、グローバル化などで一番影響を受けるのはその人たちなのだから。。。