同窓会。

18年ぶりに故郷、河口湖で同窓会が開かれた。
18年の歳月を経ての再会。楽しみの一方、
みんな疲れたおじさんおばさんになってたらどうしよう。。。
私もフケたかしら。。。なんて心配もあってみんなの顔を見るまでドキドキ。

1人2人と懐かしい顔が集まってくる。
心配なんてなんのことはない、みんな子供の頃とぜ〜んぜん変わらない。
たぶん、はた目にはみんないいおじさんおばさんに見えるだろうが、
少なくても私の目には、みんなあの頃のまま、やんちゃなのは、今でもやんちゃだし、
お調子者はいまでもお調子者、みんなのまとめ役は今日も幹事をやってる。

私の通った地域の河口小学校、河口中学校は全学年それぞれ1クラスずつ。
つまり、小学校1年生の時のクラスメートの顔ぶれが中学3年まで変わらない。
互いの性格や家族のことまで全部知り尽くしている。
18年会えなくても、子供心に刻まれた思い出は深いのだろう、
今でも私の夢の中には、みんなの顔や小学校の校舎が登場する。

少し遅れてヨウイチが部屋に入ってきた。
車椅子に乗り、奥さんが付き添っている。
ヨウイチが難病に侵され、自由のきかない身体になったと聞いたのは、7〜8年前だったろうか。
脳に腫瘍ができやすい病気でその腫瘍が脳の記憶をつかさどる部分を侵し、
5年ほど前、クラスの男達がお見舞いに行っても、誰の顔もわからなかったという。
正直言うと私は子供の頃、いじめっ子のヨウイチが苦手だった。
いつもキックされたり、なぐられたり、ヨウイチから逃げ回った覚えがある。
子供の頃とは違うヨウイチに何て声を掛けていいのかわからない。。。
ヨウイチがカラオケを歌うと言う。奥さんがマイクを持つ手が下がらないよう、
ヨウイチの右手を支える。
ヨウイチも楽しそうに笑っている。
しかし、今日のこの時のことをヨウイチは覚えていてくれるだろうか。。。

帰り、車椅子のヨウイチをみんなで駐車場まで送った。
「ヨウイチ、いいかがんばれよ!」
「ヨウイチ、また飲もうな!」
ヨウイチの手を握りしめて、みんなで声を張り上げた。
みんな目が真っ赤だった。
私も心の中で一生懸命一生懸命祈った。
どうか、ヨウイチが少しでもよくなりますように。。。
どうかまたヨウイチと楽しく笑い合えますように。。。