悲しい歴史。

家畜小屋のような独房。

何だか初っ端から気が重い場所に来てしまった。。。
きょうはトゥールスレン刑務所跡へ行ってみた。
ここには1975年4月〜1979年1月までの3年8ヶ月に及ぶポルポト政権下で、のべ2万人が収容され、
生きて帰ったのはたった7人と言われている。
厳しい拷問を加えられ、虐殺されたのは、農民、技術者、僧侶、教師、学生などあらゆる職業の罪なき人々。
今ここはその当時の残虐行為を後世に伝える博物館として公開されている。
尋問室、独房、雑居房には当時のまま、鉄の足枷や拷問器具が残されている。
尋問室の鉄のベッドの横には殺された人の血まみれの写真がかかっている。
「このヒトがころされたのはちょうど今ミナサンが立ってるとこですね〜」とガイドさん。もしかしてとは思っていたがやはりドキッとした。
天井には血が飛び散った跡が生々しく残っている。
淡々と説明をしてくれてはいるが、実はガイドのスワットさんの両親もクメールルージュに殺されたのだという。
カンボジアに来た以上避けては通れぬと思っていたが、あまりに残酷、悲しすぎる。
こんな悲劇がほんの25年前にこの地で起こっていたのだ。
誰かが質問していた「カンボジアの人たちは同じ悲劇を繰り返さないよう、ポルポトの時代を振り返ることがあるのか」と。
しかし振り返るにはあまりに記憶が鮮明で、心の傷が深すぎる。。。
他の東南アジアの国々に遅ればせながら、カンボジアも経済面では少しずつ発展をしてきているが、
このポルポト時代の悲しい歴史をカンボジア人自身が冷静に受け止めて、振り返るにはまだまだ長い歳月が必要なのかもしれない。