きょうのお楽しみ!

歌舞伎座の前で。

3ヶ月ぶりに歌舞伎を観に行ってきた。
今日の一番のお楽しみは、私が今、歌舞伎役者さんの中で最も美しいと感じる2人、
坂東玉三郎さんと尾上菊之助さんが共演する「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」。
愛する人を追う清姫玉三郎さん)が、その願い叶わず、嫉妬と怒りに燃え、
ついには上半身は鬼女、下半身は蛇になってしまうという激しいストーリー。
清姫のすさまじいほどの情念を表現するため、歌舞伎では、浄瑠璃風に実際の人間が人形となって演じている。
つまり、清姫役の玉三郎さんは、厳密には清姫の人形を演じるということになる。
そしてその人形とあうんの呼吸で動きをあわせる人形遣い菊之助さんが演じている。
玉三郎さんはあくまで人形なので、その台詞は太夫が語る。
玉三郎さんの声が聞けないのはちょっと残念だったけど、
いやさすがだな。。。無表情な顔、無機的な身体の動き。観ているうちに玉三郎さんが本物の人形のように思えてきた。
なんでも役者さんにとって、この人形振り(人形の動作をまねて演じるもの)は、非常に難しく、
細かい動きがあるので身体にも大きな負担がかかり、玉三郎さんのような役者さんでも滅多に引き受けられないという難役なのだ。
あ〜それにしても、怒りで身悶えする清姫玉三郎さん)、その後ろにぴったりと付き、清姫の手足を動かす人形遣い菊之助さん)、
美しいなぁ。。。